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スクリプトの最後の作品です。
ほんとうに、この度は、ルイ様、楽しませていただいてありがとうございました。
この作品は、できうるかぎり(・・非力で非力ですみません・・・・)リクに沿うようがんばりました。
ルイ様、どうぞお収めください。お持ち帰りくださってもけっこうです。


ではでは、
どーじんだけど良いわよ、という方は「続き」をどうぞ・・。


ゆきふる




艦橋にて。
尾栗は空を見上げている。指先には冷たい結晶がひとかけら。

尾栗 「冷たい・・・・・雪だ・・・!」

僚艦をロストした「みらい」。
尾栗はある出来事を想起する。








卒業直後のある日の夕方。
初めての出航を前に、出航祝いとばかりに会うことになった例の三人。
とりあえず集まるのは、近所の川縁。夕日が美しい。
土手に腰を下ろしているのは菊池と尾栗。
角松はまだ来ていない。


尾栗 「あ~あ・・・いよいよかあ・・・」
菊池 「なんだよ。わくわくするとか言ってたじゃないか」
尾栗 「お前らと別れて上官、先輩ばっかりの中に行くのはさ・・・やっぱヤじゃん?」
菊池 「ものの数年もすれば、お前だってその上官・先輩になれるだろう?」
尾栗 「・・・そうだけどさ・・・」
菊池 「なんだ?」

尾栗 「俺、お前らに依存しすぎてたんだろうなあー。離れたくねえなあー!」
菊池 「ははは。・・・・・お前たちに一番依存してたのは俺かもしれないけどな」
尾栗 「そう?お前はけっこう一人でも飄々としてたじゃん」
菊池 「それは・・・ちがうぞ」
尾栗 「・・・・・そうか?」

菊池 「ありがとう」
尾栗 「は?」
菊池 「任官拒否しようとした時、引き止めてくれて」
尾栗 「はは。だって俺、お前のこと『かってた』からさ」
菊池 「一緒に卒業できて良かった」
尾栗 「そうだろ?」
菊池 「ああ。本当に良かったと思う」
尾栗 「俺も三人一緒に卒業写真が撮れて良かったよ」
菊池 「ああ・・・本当に・・・良かった」

尾栗 「・・・・・・なあ・・・」
菊池 「ん?」
尾栗 「あのさ、男とか、女とか、カンケーなくさ、『あ~こいつのためなら何でも出来る』とか、
         思ったことあるか?」

菊池 「・・・・え・・?・・・いや・・わからない・・」
尾栗 「俺は・・さ、あるぜ」
菊池 「・・・・・え?」
尾栗 「へへへ・・・お前、ホントに・・・・なかなか心開かねえからな」
菊池 「・・・・はあ?」
尾栗 「よし、教えてやる」
 
立ち上がる尾栗。川に向かい、口元に両手を当てる。
ぽかんと見つめる菊池。

尾栗 「菊池雅行~~っ!大好きだぞ~~っっ!!」
菊池 「??!!??なっ・・・・な・・な・・っ・・!!??」
尾栗 「なんだよ、高校んときとか、こういうの海とかでやらなかったか?」
菊池 「しないよっ!見ろ!みんな見てるじゃないか!!」
尾栗 「いいからお前もやってみろよ~」
菊池 「するかっ!」
尾栗 「小心者だなあ」
菊池 「・・ああ・・・もう恥ずかしい・・・やめろよ・・!ほら子供が笑ってるだろ!!
         くっつくなよ!!」

笑う尾栗。赤面する菊池。
ひとしきり、突き合ったあと、菊池が顔を上げる。まじめな顔。

菊池 「なあ。」
尾栗 「ん?」
菊池 「もしさ、もしいつの日かさ、俺たち三人が、同じ艦に乗ることになったらどうする?」
尾栗 「うわ。それ面白いな!すっかりベテランになってさ、
          三人ですっげー見事な指揮とるんだ」
菊池 「・・ははは・・全く・・・・そんなに本気にするなよ」
尾栗 「ええっ!?なんだよ。ただの冗談にするなよ」
菊池 「そうだよ。お前をからかっただけだよ」
尾栗 「ちえ・・・雅行もたまには面白いこと言うなぁって感激したのにさ・・」
菊池 「ははは」
尾栗 「笑って流すなよ。きっとすっげー良い艦になると思うぜ。
           クルーみんなが家族みたいに仲良くってさ」
菊池 「俺が砲雷長で、お前が航海長で、洋介が・・・・・副長とか?」
尾栗 「うっわーー!すごいな!かっこいいな!」
菊池 「でももしそうなったら俺たちさ」
尾栗 「ん?」
菊池 「・・・三羽烏だな」

尾栗 「・・・・?・・ん?ナンだって??」
菊池 「・・知らんのか?」
尾栗 「カラスって?なにが?」
菊池 「・・もういい!」


そこへようやく角松が自転車に乗ってやってくる。

角松 「おう!遅くなってすまん!」
尾栗 「なあ洋介!」
角松 「ん?何だ?早く飲みに行こうぜ」
尾栗 「もしさ、将来、俺たち三人が、同じ艦に乗ることになったらスゴイと思わねえ?」
菊池 「だからっ・・・あるわけないだろうそんな事!」
尾栗 「なあ・・・・・・・どう思う?」

角松 「?・・・・・・・はははは!」
尾栗・菊池 「・・?」

角松 「そんな夢みたいなこと・・・思いついたの康平か?」
尾栗 「雅行だ」
菊池 「バッ・・バカ!言うな!」
尾栗 「なんでそんなに赤くなるんだよ」
角松 「面白いな」
尾栗 「だろう?」
角松 「でも、そんな事が決まったその年にゃ・・・・」

空を見る角松。

角松 「夏の盛りに雪が降るぜ・・・・」

笑う三人。
尾栗と菊池は腰を上げる。日が暮れた。
さあ今日はみんなでたのしく飲もう。








そして、
再び艦橋。
雪がしんしんと降っている。
尾栗は双眼鏡を握り締める。





尾栗 「正夢になった・・・・」




    

    おしまい

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是非外伝に!
ジパングの外伝って新作を読んでないし、是非かいG先生にこの辺の絵ぴーソードを入れて欲しい(笑)

なぐもっちも漫画家になれる素質があるかも\(^o^)/

なぐもっち版「ジパング外伝」にこれからも期待してますよ♪
TAKE| | 2007/10/03(Wed)20:38:48| 編集
恐れ多いお言葉です!
もったいなさ過ぎるお言葉に、体がぶるぶる震えました・・・!あああ・・・ありがとうございます!!!
そそそ・・そんな・・・てんていになんて!(←本気にするな!笑)
漫画はですね~・・・難しいすぎです。
もしかして一番難しい表現方法なんじゃないかと思ってます。
ジパ外伝、どんどん作れたら楽しいですね。なにかネタがあったら頂きたいです(セコイ・・笑)その前にDVDで勉強を・・・。
なぐも| | 2007/10/04(Thu)08:14:23| 編集
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