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このところ良く遊んでるなぐもですが、ちゃんと仕事もしていますv
仕事は生きがいのひとつです。
オッチョコチョイは相変わらずありますが・・・ね。

先日、実に数年ぶりにステるベンを経験しました。
総合病院ならともかく、まさかクリニックに入って経験するなんて思いませんでした。
私、現役時代はすごくツイてるナースでした。
が、まさか未だにソレがとれてないとは・・・・・!

★『続き』以下、
一部説明が足らなかった部分があるので訂正しています★

(ここからは個人情報がからむので、
一部事実から変えてる部分もあります)

その日、往診しているお宅から電話がありました。

「おばあちゃんが息をしてない」

同時に自分の身体が動き、必要物品を鞄にかっ込みました。
聴診器、血圧計、酸素飽和度を測る機械、採血&テープセット、ゴム手袋多数、ビニール袋、それからペンライト(この物品すべてが必要になろうとは・・・このときは思っていませんでした)。
いつでも出動OK!
でもまだ待合室には他の患者さんが待ってる。
どうする?!
迷いつつもクラウチングポーズをとってる私に医者が言った。


「なぐも!とりあえず先に行って状況診てきて!」
「!」

(長いのでこの先は『続き』に・・・・・)

***********

私は走りました。
猛暑の街中、ナース服のちっこい女が猛ダッシュです。
人々が振り返るのも気になりません!
不安と動揺でいっぱいのご家族が待ってるかと思うと、エレベータなし4階建のマンションなんて苦になりません!

おばあちゃんの家に着きました。
挨拶もそこそこに(・・・・私の呼吸が荒れて荒れて落ち着かなかったため・・・・)おばあちゃんの元へ。
おばあちゃんは高齢で寝たきり。
少しはお話もできるものの眠っていることがほとんど。
このところ食事はおろか、水分もほとんど経口摂取できていませんでした。
来るべき時がきた、そういう状況です。

まだ温かくて柔らかい身体。
でも声をかけても返答はなく、身体に触れても一切の反応がすでにありませんでした。

各所で脈なしを確認。
聴診器で呼吸音、心音なしを確認。
対光反射(光を当てた時の瞳の縮動)なしをペンライトで確認。
血圧測れず。
酸素飽和度を測る機械でもバイタル測定不能。

状況を、すぐさま携帯でドクターに報告。
「瞳孔固定してて心肺停止状態です」

我々ナースは「亡くなってる」などという判断はもちろん、発言も出来ません。心配そうなご家族にはっきりしたことは言えませんが、ドクターが後からすぐに来ることを伝えて安心感を与えます。
年齢的な事もあり、医師と家族の事前の取り決めどおり蘇生処置は一切行いませんでした。


その後すぐ、先生が来て、診断を出して、時間を伝えました。
二人で家族に黙礼。
そのあと目頭を押さえる家族を労いながら、先生が言った。

先生「あとのことはね、この看護師さんがしてくれるから」

・・・・・え・・・?・・・・


まったく予期してなかったわけではないけれど、まさか本当に、その後の処置まで手がけることになるとは・・・・・(クリニックを飛び出した時点では思ってなかった・・・・)


病棟では何度となく経験したことでも、個人の自宅となると多少の違いが出てきます。でも、ブランクは心配要らないんだ・・・ということがわかりました。
これまで自分に『教えてきてくれた』患者さんたちの顔が思い浮かびました。
大丈夫。
カテーテルを抜く注射器も持って来てる。
その他ないものは・・・あるもので代用できる。
処置手順もちゃんと身体が覚えていてくれました。

合掌して、一礼して始めます。

私はこの処置をするたびに、とても光栄な場を与えられてると感じます。

生れ落ちたときの初めての湯浴みも、旅立つときの最後の湯浴みも、それを手がけさせてもらえるのはとても光栄な事と思います。


『おくりびと』は見てないんですが(漫画は読んだよ)、この日本という国、納棺師のする仕事を実は色んな業種の方が肩代わりしてるのが現状なんじゃないかと思うんです。
病院でのナースの処置が最後になる場合だってあります。
実際、私達が葬儀屋さんと納棺をすることもありました。
葬儀場で再会した自分のおじいちゃんのお髭が、剃られていなかったこともありました。(病院のナースも葬儀屋さんもしてくれてなかった。仕方ないので私が剃った・・・・)。

なので私はできる限りのことをするようにしています。
納棺師の方や専門家のようにまではできないですが、できる限り綺麗に。
綺麗に身支度を整えておくことは、その後の葬儀屋さんのお仕事にも迷惑がかからないことに繋がります。そして万が一、そのまま納棺となっても大丈夫なように。
着替え、お化粧、諸々の処置・・・・。
生前と同じように声をかけて、普段と同じように語りかけながら。


全身汗だくになりながらでしたが、ご家族にも手伝って頂いて、このおばあちゃんなんて幸せなんだろう!と何度も何度も思いました。
ぽっくりと、自分の家で、いつもの日常の中で、ご家族のいるところで、綺麗なお部屋で、穏やかなお顔のままで、何よりも・・・・沢山の人にいっぱい愛されながら。



さて。
そういうことがあった日も、私は私の日常の家庭に戻っていきます。
家に帰って、処置をしたその手で夕ご飯をつくり、ワイワイギャアギャア言いながらご飯を食べ、お日様の匂いのする洗濯物を畳み、ピーピー言いながら子供を風呂に入れます。
おばあちゃんの身体を拭いたように子供の身体を拭き、おばあちゃんの髪をといたように子供の髪をとかし、おばあちゃんに入れる『義歯』を磨いたように子どもの歯を磨いてやります。

ふと思い、旦那に聞いてみました。
昔、現役時代は思っていても、聞けなかったことでした。


「あなたは、私が死んだ人を扱って帰ってきても、怖いとか気持が悪いとか思ったことはないの?」


旦那は考える間もおかずに、「ないよ」とあっけらかんと言いました。
私はなんだか感動してしまって、鼻につんと来てしまって、洗い上がったばかりの洗濯物(夏場は洗濯物が多いよ!)を抱えてベランダに急いでしまったのでした。
















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