例の、100歳のばあちゃんの聞き取り調査、完了しました。
(存じ上げないけど興味ある方はこの記事→『100年の恋』)
仕事のネタは、ものがものだけに、ヒミツがヒミツなだけに、一ヶ月以上は寝かせて味がまろやかになってからupするのですが、まあこれは大丈夫だろうと載せます。
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自分の出しうる限りの声量で質問しましたらばあちゃんは大笑いである。
「そんな昔のこともう忘れた」
と、な!
「29、か30あたりでしょう」
といって破顔するのである。
100も生きれば旦那の享年なんぞも「だいたい」で捉えられる境地に達してしまうということだった。一年、二年の違いなど大した問題じゃなくなるのだろう。
あれだ、あれと一緒だ。地球46億年の歴史からすれば人間の一生など一瞬以下、というのと同じだ。(←違う)
ばあちゃんの、尺度の違いに圧倒されたなぐもであったが、その日もばあちゃんのお部屋は綺麗に片付けられており、遺影には埃ひとつついていなかった。
煩悩なく身辺を清めて生きてる様は、浄土とこの世の狭間で生きる100歳のばあちゃんを、生き仏そのものに映らせる。
まるで境地に達した坊さん(いや尼さんか)そのものだと、感慨にふけるのであった。
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