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婦人科の敷居が高すぎて、みんなはじめは内科にくる。
婦人科は『一見さんお断り』系ではないが、あの内診台っつーのがどうしても世の女性を阻むのだろう。
あいつがもっと優しく大らかになってくれないかぎり、世の女性の誰もが『抱かれたくない』存在NO.1の座に君臨し続けるだろう。
しかし問題はもちろん、そんなのではない。
早く婦人科にいかなきゃならない人が、手の打ちようがなくなってから内科にくることだ。
場合によっては生死にかかわる問題だというのに、「内診が恥ずかしい」などと言っとる場合でないのだ。たくましくなれ、女だろ。
卵巣茎捻転とか卵管・卵巣炎は予想だにしない病気だから内科を初診選択されても仕方ないが(激痛だろうに歩いて来院される・・・女って痛みに強いと思う)、ちょっと考えてもらいたいケースがあったりする。
ニンシンだ。
チュニックとやらを着ているせいで気づかなかったぞその腹は!なんで問診に何も書いてないんじゃい!「便秘で腹痛」なわけがないだろう、入っとるのは別のもんだよ!とか、「熱はないけど吐くんです」とか。(こっそりと、思い当たる節はないのかと聞けば、あるという。何で調べないのかと聞けば、どうやって調べるんですか?という。簡易検査のスティックを知らないのかと聞くと、それは何ですか?と言われる)
大学生の保健指導とかに行くと、受験に忙しすぎてほとんどの子が大事なことを知らない。
月経と排卵日の関係も知らない。
体温表の付け方を知らない。
無月経がなんでいけないか知らない。
重い月経痛を放っておくのが何でいけないか知らない。
今時の女子学生は、みんなかわいい。
おしゃれだし、大事に育てられてるし、無垢な良い子ばかりだ。
初対面の私を信用してくれて、屈託なく笑ってくれる。
こんなにかわいかったら、そのうち彼氏もできるだろう。
そんだらそーゆーことも起こるだろう。
若いんだし、油断してしまう気持ちは十分わかるし、そーゆー間違いもある・・・のが人間だ、うん、それも青春だ。(いえ注意してください)
しかしそーゆー時、
万が一のとき、
うろたえずにどーやって対処したらよいかを聞けば、
みんな笑顔で「知らない」という。
現実がぜんぜんわかってない笑顔である。
数ヶ月無月経で、万が一そーゆーことになったとき、そのまま月経が来なかったとする。怖くないのか?と聞く。ちゃんと月経があってそーゆーことがあった時、怖くないのか?と聞く。合コンなんかで飲んだ勢いで襲われちゃう可能性だってある。そうなったら誰が味方になってくれて、誰が助けてくれるか知ってるか?怖くないのか?と聞く。
そこで初めて彼女らから笑顔が消えて、「怖いです」と言う。
自分に限って、間違いなんて起こらないとおもっているのだろうか?
男女のアレほど理性を欠く危なっかしいものはないのだ。
そもそも100%のヒニン具はこの世にない。
(そして逆に、欲しいときすれば簡単に子供はできる、などという単純なものでもないのだ。)
これは周囲の大人全体の責任であって、その子は悪くないと思う。
教育が浸透していないかぎり、我々保健指導を司る者も悪い。学校の先生も悪い。親も悪い。性教育をたらいまわしにして、「誰彼がすべきだ」などと傍観に徹し、責任転嫁ばっかしている大人全体が悪い。
生きていく知恵を、身を守るすべを、なんで誰も積極的に子供に伝えないんだろうって思う。
まじめに、真摯にヒニンを。
そんで、ちゃんと、婦人科に行きましょう。
婦人科は、女が女になって、死ぬまでお世話になるところです。
無月経や重い月経を放っておいたらいけないし、ガン検診もスルーしてちゃ怖いんです。
そんで、知らないことを知らないままにしないことです。
(コーラで洗うとか広めちゃいかんです。もしものときは24時間以内に婦人科に行って下さい。はっきしいってこの分野、男は頼りにならんのです)
まじめな話になってしまったが、本当に必要な教育って何だろうってつくづく思うのでありました。
※事態がわかってない人はともかく、その危険性に戦いてる人や、望まぬ妊娠をしてしまった人を、「知らないでセックスするからなんたかかんたら」と責めるのはいけないと思います。そうでなくても、相当精神的にダメージを受けているはずですから。そしてその深い傷は一生残るのです。子供を堕ろすってそういうことです。
間違いや事故は、誰にだっておこるものです。
もしそういう人がもしいたら、背中を優しく抱いてやってください。